2011年8月7日日曜日

ウィルコムのWX01UTは期待はずれか?

ウィルコムからシンプルな音声端末のWX01Uが発表された。だがこの端末、Eメールに対応しないという、かなり割り切ったスペックのせいもあり、ウィルコムファンとしてはがっかりなものだった。直前に8月は新型スマートフォンの発表があるとの噂があったので尚更だ。WX01Uは2台目、3台目無料でばらまくための端末なのだろう。

がっかりするばかりでは仕方がないので、WX01Uの提供元であるユーティースターコム社に注目してみよう。まず、ユーティースターコムは中国でブロードバンド機器を製造している会社のようで、ウィルコム端末を提供するのは初めてのことである。ユーティースターコムは台湾でWX01UにそっくりのX32という端末を販売している。
http://product.it168.com/detail/doc/310175/index.shtml?PHPSESSID=5e8f214e75e4b79e4b64bdf03d6c2a5b

つまり、WX01Uは新規開発ではなく、台湾で販売しているX32という端末を持ってきたようだ。このX32の仕様を覗くと、対応ネットワークはGSM/GPRS/PHSとある。つまりX32を日本語対応とし、(多分)GSM/GPRSを殺して、WX01Uとしているのだろう。ウィルコムとしては手軽に新端末を手に入れられ、ユーティースターコムとしては最小限の開発コストで日本の携帯電話市場に参入できる、合理的な手法だ。

では、WX01Uが売れれば、ユーティースターコムから次の端末の投入は考えられるだろうか?可能性はあるが、ハードルは高いだろう。なぜなら、以前は中国、台湾ではPHSが主流だったようだが、現在はGSMが取って代わりつつある。過渡期なのでX32はGSMとPHSに対応しているのだ。つまり次の端末は既存PHS端末の流用ではなく、コストをかけて既存GSM端末をPHSに改修する必要がでてくる。かと言って、またX32と同じようなシンプル端末を発売するのは意味も薄く、X32のカラーバリエーションを変更だけやった方がマシだ。

WX01Uの売れ行きによっては、ウィルコムは強力なパートナーと新端末を手に入れることができるかもしれない。未来を占う、という意味でWX01Uに期待したい。買わないけど。